由美子は怒りに震える声でレオナに話しかける。
堂島由美子
レオナ様、先日共演された後輩の女優さんが、黒崎ガレンから被害を受けたそうです。もう我慢の限界です!
西園寺レオナ
落ち着いて、由美子さん。詳しく聞かせて
堂島由美子
枕営業は序の口です。弱みを握って、抵抗できない女性への被害が止まりません。最近は昔以上にガレンは絶対的な立場を築き、被害はエスカレートする一方です
レオナは窓の外を見つめながら、静かに答える。レオナもガレンの作品にはここ数年出演していない。
堂島由美子
業界の大物たちの弱みを握っているから、誰も苦言を呈せない。以前は対抗意識を見せていた社長も今は弱気です。ガレンに歯向かう人間は、どんどん仕事が減っていく
西園寺レオナ
ええ、わかっているわ。ガレンに対抗する気概があるのは、徳山ディレクターの会社の大鷲社長だけ
堂島由美子
はい、周りの芸能事務所もどんどんガレンの言いなりになってきてます
西園寺レオナ
そう。だからこそ、大鷲さんとの極秘作戦を急がないといけないの。信用できる人物をもっと集めないと。相手は巨大すぎるから
西園寺レオナ
そのためには、徳山ディレクターはTV番組で成功してもらって、業界での力をつけてもらわないと
堂島由美子
なるほど、あの番組出演にはそういう意図もあったんですね
西園寺レオナ
(それに、徳山ディレクターにはハニトラに引っかからないように、パンチラで動じない強い心を身に着けてもらうわ)
自分が性的な目で見られるのを嫌う由美子に言うと怒り出すので、心の中だけでつぶやくレオナだった。